ネットを活用する
パソコンや携帯電話で医療情報を調べることが一般的になってきました。地名と病名(あるいは診療科)を打ち込んで検索する場合が多いようです。急速なネット普及に対応するべく、HPを開設する病院やクリニックも増えています。ここにきてネットのリテラシー(読み解き能力)が重要になってきました。
診療時間などの情報を見るためだけにネットを利用するのはもったいないと思います。HPでは院長先生のプロフィルが詳しく載っていることもあります。キャリア、専門分野などの情報です。コラムや、中にはブログを書いている先生もいます。診療の方針などを知る良い機会となります。
都道府県が作っている医療情報ネット(名称は様々です)には、各医療機関の情報が詳しく載っています。病院やクリニックのHPと合わせて利用してみてはどうでしょうか。
ネット上では様々な医療情報が溢れています。どれを信用して良いのか、注意しなければならないと思います。無責任な情報発信がネットでは可能です。HPや専門サイトならば、その開設者をチェックするのも一手でしょう。代表者や役員名簿、著名な組織や医療・研究機関などがリンクしているかどうか、などが手掛かりです。がん治療などでは根拠薄弱な説が飛び交っています。
口コミサイトもどこまで信じて良いものでしょうか。悪意ある書き込みもあったりします。複数のサイトで内容をチェックしてみることが最低限、必要でしょう。医療専門のサイトもあれば、ヤフーの「知恵袋」のような相談投稿サイトに出ていることもあります。
ネット上の情報は玉石混交です。複数のサイトに当り、先に述べた都道府県の情報ネットなどで確かめながら、情報を吟味したいものです。こういう注意を払えば、細かな専門情報や遠隔の情報とネットでの情報収集は可能性が拡がります。
大阪市立大学大学院 経営学研究科の特任教授 松村眞吾