予防接種について知っておきたい
日本は諸外国に比べて予防接種については遅れた国と言われてきました。副作用による問題など、行政も及び腰であった時代があったためですが、そのために予防接種を受けるのは良くないことだと誤解する人も多かったのではないでしょうか。
もちろん100%安全というわけではありません。特に子供の場合は心配も残るでしょう。しかし感染症の怖さも同じようにあります。予防接種で重い病気になることから身を守ることの意義を考えたいものです。
近年は、Hibワクチン、小児向け肺炎球菌ワクチン、子宮頚がんワクチンなど、新しいワクチンが登場し注目されています。何れも世間の親御さんの関心が高いものとなっています。公費助成を行なう自治体も拡がってきました。子宮頚がんワクチンなどは中高生が接種適齢期とされています。20歳代でも効果はあるとの研究もあるようですが、タイミングを逃さない方が効果も高いようです。
ポリオの不活ワクチン(生ワクチンより安全性が高いと言われてます)接種も近いようです。予防接種というとインフルエンザを思い出しますが、それだけではなく様々な種類があります。もちろん大人向けもあります。
感染症の怖さは昔と変わらないのではないでしょうか。衛生状態は良くなっており、感染症は大部分、過去のものとなりました。逆に本当の怖さを、現代人は知らないとも言えるわけです。どんな病気も予防が大切なことに変わりありません。
感染症のこと、ワクチンのこと、その効果と安全性のこと、いろいろと知っておきたいことがあります。一部の偏った情報に左右されず客観的な情報を収集して、予防接種に対して前向きに考えたいと思います。
もちろん受ける側の体の状態も十分に把握した上で受けるべきです。何事も十分な知識に基づいて行動すべきなのです。
医療コンサルタント
(元大阪市立大学大学院特任教授)
松村眞吾