身近な健康相談相手になるかも
昔は保健所が身近な存在でした。いつの間にか保健所も遠い存在になったように思います。そして保健師の存在も縁が無くなったと感じます。そもそも保健師というのは、どんな仕事なのでしょうか。
保健所に所属して地域の保健衛生の向上に努めてきたのが行政の保健師です。衛生状態は格段に良くなりました。そのせいか保健師の活躍の場が狭くなったのでしょうか。介護保険が始まってケアマネージャーなどの各種専門家が活躍するようになりました。保健師の仕事とは違うのですが、身近な相談相手としての存在は保健師から他に移ったように感じます。
それでも保健師の仕事は重要です。企業で働く人々にとって、ストレスの多い仕事、職場が増えています。きつい仕事で体調を崩す人も多くなっているようです。従業員の健康維持は企業にとって大きな課題となっています。産業医の先生は数少なく相談相手には敷居が高い存在です。そういう時の相談相手として保健師がいるのです。
医師がやや理屈っぽく説明するのに対して保健師は分かりやすく話してくれます。例えば食事については「栄養バランスに神経質になり過ぎるより独りで食べないこと。誰かと一緒に食べれば、それだけでゆっくり食べるようになるし体には良いですよ」と言われると納得して実行しやすくなります。
一般の方にとっては保健師と看護師は別の存在です。保健師が看護師として働けることなど知らない人の方が多いのではないでしょうか。生活指導、地域や企業の保険衛生のプロフェッショナルとしての保健師をもっと活用したいと思います。例えば企業においてです。企業で働く皆さんに、企業経営者の方々に、保健師の存在意味を理解してもらい、活用して頂くのが早いと思います。地域の保健師にも頑張って欲しいと思っています。
医療コンサルタント
(元大阪市立大学大学院特任教授)
松村眞吾