病院を退院したら
手術が終わって体の状態が落ち着いてきたら退院ということになります。病気前より体力が落ちて生活していけるだろうかと不安になります。そんな時には誰に相談して、お世話になることを考えるべきでしょうか。
病院にはMSW(メディカルソーシャルワーカー)という相談員が居ます。退院調整看護師という存在もあります。生活のことはMSWに、退院後の医療のことは担当看護師に相談するのが良いでしょう。かかりつけの開業医を居られる場合は、その先生にご相談されるのが良いかもしれません。かかりつけ医は自分の体のこと、生活のことをよくご存知の場合も多いからです。
介護が必要となる場合など、ケアマネージャーがケアプランを立ててくれます。MSWらが紹介してくれるでしょう。地域包括支援センターという存在があります。地域でのセンター所在地を調べて相談に行ってみてはいかがでしょうか。
役所や地域の民生委員がいろいろな相談事に乗ってくれる地域もあります。役所というと役所仕事などと敬遠されるかもしれませんが、福祉担当の方は熱心な場合が結構あります。民生委員も人によりますが、頼りのなる存在であると聞きます。
もちろん、今の時代ですから、ネットで調べる手もあります。退院後の診療を受ける病医院についてネットでいろいろと検索してみると自分に合ったところが見つかるかもしれません。あるいは口コミの評判を確認できたりします。
家に帰ったら、場合によっては施設に入るかもしれませんが、「自分らしく」生きていくために何があるのか、をキチンと知っておきたいと思います。遠慮は要りません。患者さんとご家族にとって、これからも自分たちの生活が続きます。いわゆるQOL(生活の質)は大切にしたいものです。そのために自分たちだけで悩む必要はありません。
医療コンサルタント
(元大阪市立大学大学院特任教授)
松村眞吾