診療科を正しく理解してますか?
病院に行けば様々な診療科の名前が掲げられています。内科と外科の違いくらいは分かると思いますが、内科だけでも消化器内科、呼吸器内科、循環器内科から内分泌内科、血液内科などに至るまで多種多様です。どの診療科にかかるべきなのか分からなくなります。
そもそも、例えば整形外科と形成外科の違いを理解している人がどれだけ居るでしょうか。因みに整形外科は骨など身体内部からの痛みを扱い、形成外科は体表、つまり皮膚科の外科版と思って良いでしょう。心療内科は心の病気を扱い、神経内科は脳神経外科の内科版で神経の病気を扱います。
昔は大雑把に言えば、内科と外科でした。大体の病気は開業医の先生のところで診てもらえば良かったのですが、今の時代はどうすれば良いのでしょうか。一つはHPなどで先生の経歴をチェックすることです。専門医資格も判断材料の一つになり得るでしょう。
大きな病院は専門分化がかなり進んでいます。かかりつけの開業医の先生に相談することで適切な診療科にたどり着くこともあります。総合診療科という診療科にかかることもお薦めです。
総合診療科では日常的な病気の診療の他に、原因がはっきりしない病気、複数の原因が絡んだ病気などを扱います。的外れな素人判断ではなく、医学的根拠に基づいてどの診療科で診療を受けるべきか、を決めてくれます。
ネットなどでの情報収集も良いでしょう。ただしネット情報は玉石混交と思って下さい。正しい理解を助けるための道具くらいに思って活用することが大切です。
お年寄りにはいつも通院している整形外科で何でも診てもらうという方も多く居ます。それが良い悪いではなく、日頃からかかりつけの先生を作っておいて相談できる関係を持つのは必要です。専門分化が進む医学。貴方のことをよく知るガイドが必要です。
医療コンサルタント
(元大阪市立大学大学院特任教授)
松村眞吾