頼りになる看護師さん-気軽に相談できる健康コンサルタント

お医者さんに診察してもらう時、どうしても緊張してしまうという方も多いでしょう。しんどくてたまらないのに、難しい専門用語を使って病状を説明されても頭に入らない、という経験もよくあること。でも先生は多忙だし、一生懸命、説明されるので、分からないことを質問するのは気が引けてしまう、というのが普通の患者さんの立場だと思います。

 何か良く分からないまま「分からないことはありませんか」と訊かれても「いや、特にないです」と答えてしまうのが人間の性というものでしょう。皆さんは、そのまま病院やクリニックを後にされていませんか?自分の身体だから、やはり病気のことは知っておきたいものです。安心したいから病院に行くということは、よくあります。熱が下がっても、なぜ熱が出たのか知りたいから診察を受ける、といったことです。だから分からないまま帰って行くのは不本意でしょう。

あるクリニックでは、看護師さんがお帰りになる患者さんに声を掛けています。「今日の診療で何か気になることはありませんか?」と一声を掛けるのです。看護師さんなら気後れすることなく、分からないことを尋ねることが出来るのではないでしょうか。看護師さんの知識は大したものです。経験の浅い若い先生より、ずっと広く深い知識を持っていることがあるよ、とベテランのお医者さんが言います。健康のコンサルタントとして頼ってみてはいかがでしょうか。

もちろん、看護師さんも暇ではありません。独占して、他の患者さんに迷惑を掛けるわけにはいきません。でも正直に「先生の話、ここが分からなかったんですけど」と質問してみてはいかがでしょうか。大概は、ニコっと微笑みながら教えてくれることでしょう。彼女らは心から「お大事に」と言ってくれます。

医師も看護師も、どちらにも「師」の字が付いています。健康に関するプロフェッショナルであることには変わりありません。ただし、質問は整理してからにしましょう。コミュニケーションにはお互いの分かり易さが必要です。

大阪市立大学大学院 経営学研究科の特任教授 松村眞吾