診療科は何を教えてくれる?-専門や得意分野が見えてきます
クリニックには「内科・小児科」とか「胃腸科」とか、いろいろな看板が揚がっています。そこの先生がこの分野を診ます、という診療科の名前です。目に問題ある時は眼科を、肌のアレルギーがある時は皮膚科のお医者さんに診てもらうことと思います。でも意外に無頓着な患者さんも多いようです。そんな覚えはありませんか。
診療科には、院長先生の思いが込められたりしています。例えば「循環器科・消化器科医・呼吸器科」は心臓や血管を専門にしてきた先生の場合が、比較的多いとされます。得意分野は真っ先に書く傾向があるからです。「内科・胃腸科」の場合は消化器外科の出身だったりします。少し重い胃腸の病気の時、専門病院とのパイプが太いかもしれませんね。
単なる「小児科」ではなく「小児科・アレルギー科」はアトピーに強い先生かもしれません。このように「名は体を表す」なのです。診療科名で当たりを付けて、院長先生の専門を問い合わせてみるのも良いかもしれません。
最近は見慣れない診療科も登場しています。お気づきの方も多いかもしれません。内科でも、漢方を得意にする先生のクリニックが「漢方内科」を名乗っている場合があったり、女性の病気に強いクリニックが「女性内科」という看板を揚げていたり、「糖尿病内科」と得意分野をズバリ打ち出しているクリニックもあります。以前は規制があったのですが、最近はかなり自由に診療科を名乗れるようになったので、いろいろな診療科が登場しているというわけです。
たくさんの診療科を名乗っているところもあります。新しいクリニックの場合、規制に則って専門の分野を、1つか2つだけ、大きな文字で書くことになっています。小さな文字で書かれている診療科は、サブの診療科というわけです。
診療科だけではありません。各分野の学会が認定した専門医や認定医、専門外来、例えば「不整脈外来」や「アレルギー外来」を掲げている場合もあります。細かに見て行けば、どのクリニックにかかってみれば良いか、ネットなどと合せて情報収集すれば役に立ちそうです。クリニックの看板はいろいろなことを教えてくれます。
大阪市立大学大学院 経営学研究科の特任教授 松村眞吾